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「新●月プロジェクトvol.2 『響き』」

2013年6月8日 下北沢ALLEY HALL

3月の「『あの音が聞こえる』@吉祥寺CLUBSEATA」に続き、新●月プロジェクトとしてのライブ第二弾が下北沢アレイホールで開催されました。

公式サイトにて、「来年の新月本格活動にむけ、今年は新月プロジェクトでの様々な素晴らしいアーティストの方との交流と実験(とリハビリ)の年。」
「新月プロジェクトは、レストランが持っている料理工房のようなもので、いろんなゲストの方をお招きしての実験を繰りかえしつつ、新月本体の本格始動に向けて動いていきたいと思っています。」(新●月公式サイトより抜粋転載)」

とアナウンスされていたように、今回もゲストアーティストとのコラボでどんな表現、実を観る事が出来るのか、そして、アコースティックライブとの事で、新月メンバーがどんな演奏を聴かせてくれるのか、期待とちょっぴり不安(どの新月曲を演奏してくれるのかな?です)の入り混じった思いで、会場へと向かいました。

下北沢アレイホールはビルの三階にあり、一旦三階まで上り、予約番号とチケット代金を受付で支払いチケットを受け取るといううシステムでした。
階段を登って受付に行くと、ゲストボーカリストのアンジーさんがスタッフの方と受付をされていて驚きました。鈴木さん、津田さんが小さな踊り場で練習をしてるのを観る事が出来たりと普通のライブハウスではない光景です。

事前の予約時番号順に入場し、わたしは後ろの番号でしたので、大分埋まった座席の中でセンターから少しはずれた二列目後ろの端が空いていたのでそこに座りました。
地下のライブハウスの閉鎖空間と違い、3階の外光を取り入れたホールは明るく、生の光が室内に入っているだけで、あたかかくゆったりとした気分になります。
明るいフロアは演奏ブースも段差がなく客席と同じ高さだったので、最前列の方たちは本当に目の前でメンバーが演奏するのを観ながらの嬉しいライブだったと思います。

前回「新●月プロジェクトvol.1『あの音が聞こえる』@吉祥寺CLUBSEATA」では、プロジェクトとはいえ、七年ぶりの新月メンバーの演奏という事もあり、新月メンバーはじめ、ゲストの皆さんも、オーディエンスも、どこかお互いに対峙するようなぴりぴりとした緊張感はが会場を席巻している感は否めませんでした。

しかし今回は気軽なアコースティックライブとの事で、ホールの明るい雰囲気も相まって時間も早いせいか、どこかのんびりにこにこと、和気藹々とした空気が漂っていました。

個人的には、ライブ前の初期段階でアナウンスされていた内容では、新月メンバー三人だけを中心に、新月曲やいろんなカバー曲をアコースティックギター、生ピアノ、メロトロン、ウッドベース、それに短波ラジオ演奏が加わって、新月曲、カバー曲、鈴木さんのジャズ曲がシンプルに演奏されると思いこんでいました。

でも、ライブが近づくにつれ公式サイトのアナウンスが、当初の趣とやや異なり、イギリスのプログレ曲のカバーや、ジャズ、いろいろな曲を節操なく演奏する、いろんな演奏者が入れ替わり立ち代わり演奏する、との事で、むしろセッションを楽しむライブなんだ、という気持ちに変わってきました。

実際ライブ途中で、津田さんが、「アコースティックライブと言いながら実は電源はしっかり入ってます」と笑いを取るMCもありました。

参加メンバーは、津田治彦さん、鈴木清生さん、花本彰さん、五十嵐"angie."久勝さん、A.m.u.さん、磯江俊道さん、安谷屋真之さん、直江実樹さん、佐々木しげそさんです。

津田さんが本日のMC担当と伝えられ、津田さん、花本さんの楽しい掛け合いトークがはじまり、一曲目の演奏が始まりました。
公式サイトにて、「1曲目はほぼインプロビゼーションの『鳥は海を渡る』という曲です。」とライブ当日先に紹介されていた曲です。

花本さん作曲で、まさに鳥は海を渡るというイメージ通りの曲です。 途中ラジオの短波の気象情報が繰り返し挿入されます(この時短波ラジオ演奏者の直江さんはステージにはいません)。 殆ど即興演奏だったそうです。ライブ後、何人かとお話をしましたが、皆さん口を揃えて素晴らしい曲だと感想を述べていました。

演奏が始まったほんの一瞬だけ、あれ、PHONOGENIXみたい、と思ったのですが、それはほんの一瞬で、すぐに鳥は自由に海へ羽ばたいていきました。

この『鳥は海を渡る』はすでにYOU TUBEにアップされていますので、ライブに来られなかった方もすでにご覧になってさまざまな感想を抱かれていると思いますが、個人的な感想を書きます。

「新●月●全●史」の「OTHER MATERIALS」に収録されている花本さんのインプロ曲『海からの手紙』が夜の海の風景だとしたら、その海が夜明けを迎え朝日が昇ると同時に一羽の鳥が翼を広げて海を渡る風景に思えました。

新月として発表されているインプロビゼーションの曲は2曲あり、『魔笛"冷凍" 』、『生と死』と極めて抽象的なタイトルが付けられています。 作者が構築した意図を正しく受け止める事の出来る人も居るのでしょうか、そういった才を持ち合わせていないわたしは、唯一与えられた命題から、聴き手であるわたしは曲を聴きながら、イメージを膨らませながら浮かぶ映像や物語を自分の中に作っていました。

余談ですが、『生と死』からは、なぜか龍の映像が浮かびました。
でもそれは中国風の音が入ってるのでラーメンどんぶりの模様からの連想ではなかろうか、などというツッコミがあった事を思い出しました。

まあそれはともかく、ライブ当日公式サイト、そしてライブ前に、今までの新月のインプロ曲と全く異なり、「鳥、海、渡る」という、具体的な情報を、きちんと渡されてしまいました。
曲が始まる前に、すでにあれっ?と思い、いきなり一曲目から、聴き手という被験者になっているのでは?と思ったのです。

当然ですが、ライブの演奏を聴きながら、この曲は、鳥、は、海、を、渡る、のです。
鳥が海を渡る映像しか浮かばないわけです。

ですが、それは当たり前の事で、そこは新月。あくまで導入部にすぎず、ライブ会場にいたオーディエンス全員それぞれに浮かんだ映像は異なると思います。
自分自身が鳥になって翼を広げて海を渡っているかもしれない、あるいは俯瞰で鳥を点のように、追っているのかもしれない、あるいは、海中から潮のフィルターを通してすぐに自分のすれすれの海上を通過していく鳥の姿を見ているのかもしれない。

ちなみに、わたしは、鳥の顔の真横に自分が居て、一緒にくっついて飛んでいる映像でした。わたしが感じたのはここまでで、鳥がどこを目指して飛んでいるのか、プロジェクトの実験の真意まではわかるわけがありません。

ただ、新●月の歌詩はダブルミーイング、トリプルミーイングである事はファンの皆さんが一番良くご存知ですが、今回の歌詩の無いインプロ曲のタイトルから与えられた(与えられてしまった)イメージを素に、会場に集まった60人のオーディエンスめいめいに委ねられた、のは、五感、いや第六感も駆使して、今度は映像からダブル、トリプルの意味を感じさせられたような気がしました。

二曲目は前回のライブで、花本さんが「この曲は新月の前座です(笑)」と言いながら演奏された音楽俳句『牡丹』です。
今回も花本さんのピアノ、A.m.u.さんのボーカルで演奏されました。
息を詰めるような、あるいは吐息のような、生ピアノが韻をふみながら、音を描いていきます。

この「音楽俳句」について、花本さん津田さんの掛け合いMCがありました。

花本さんは「密と疎」について考えていたそうです。「ちなみにわたしの父の名はみつぞうと言います(笑)」
「従来の新月のアレンジは音に音を重ねてあまりにも多くの音を重ねて隙間を埋める果てしない作業でしたが、ある時、音と音の間の密は変わらないのではないか。少なくしても中の密度自体は変わらないのではないか。ただ少なくても作る姿勢は変わっていないのではないか」、という意味の事をおっしゃっていました。
すると津田さんが、「先日、ロバート・フィリップの日記を読んだら、おんなじ事をフィリップも言ってましたよ」とおっしゃってびっくり。

音と音の間に密度の高い何者かが存在している。
一つの音が次の音に悪影響を及ぼしてしまう。それはまだわかるが、ひとつ悪い音があると、なぜか、前の音にも悪影響を与えてしまう。
それはなんでしょう?
大意はこんな内容だったと思います。詳細をレポートできずにすみません。

三曲目は『華夢』という礒江さん作曲のA.m.u.さんの持ち曲が演奏されました。

四曲目はいよいよ新月曲です。
『赤い目の鏡』。とアナウンスされて、思わず身を乗り出してしまいます。

申し込みフォームの返信メッセージでは津田さんのボーカルがたっぷり?聴けるという事でこの曲は絶対演奏されると確信していました。
前回のライブで演奏されなかった為、なぜ演奏しなかったのですかと、抗議が殺到したそうで、今回は無事演奏の運びとなりました。

当然当初津田さんがボーカルを取る予定でしたが、ところが、キーが段々合わなくなってしまい、前日になって急きょA.m.u.さんが歌う事に決まったそうです。

新月ファンには馴染みの深い人気曲なのですが、間奏部分を聴きながら、あれれ?なんとなく知っている『赤い目の鏡』とは少し異なるイメージが浮かんできました。

自分では、それをどう表現したら良いのかわからなかったのですが、後からファンの方から「違う国籍の曲になったように聴こえました」という感想が、わたしがぼんやりと感じていた事の的を射ていました。

中近東の砂漠を固定イメージしていた曲ですが、孤独なやぎさんが歩いているのは、日干し煉瓦ではなくて、固い石やインターロッキングの都会的な道を歩んでいたように感じました。

五曲目も新月曲『雨上がりの昼下がり』です。
前回のライブでも、同じ事を感じたのですが、ボーカルのアンジーさんが独自の解釈で歌われて、北山ボーカルとは違う魅力に聴こえました。
技術的な事は全くわからないのですが、北山節で出来上がった曲をアンジーさんが良い意味で「壊す」事に成功したのではないかと思いました。

演奏後、津田さんが、アコースティックライブなのにうるさくてすみません、とのMCに笑いが起きました。パラドックス?

そこへ、いよいよ鈴木さんの登場が伝えられます。ステージに新月メンバーが三人揃うのです。
大きなウッドベースを持って鈴木さんが、にこにこと登場しました。

津田さんのMCで、当時はメンバーが鈴木さんの事を「ちーちゃん」と呼んでいた事や、鈴木さんは80年新月脱退後ニューヨークでベースの修行をしており、海外生活の経験が長い事、このアップライトベースは、音が鳴るのに大変な年数がかかるという事を、鈴木さんに語りかけながら紹介をされていました。

次の六曲目は『Stella by Starlight』というジャズのスタンダードナンバーですと紹介されました。

津田さんが花本さんに「ジャズは完全にアウェイですね」と聞くと花本さんはきっぱりと「アウェイです」と答えていたのが面白かったです。

にこにこと鈴木さんが「ジャムセッションですね」と言って演奏が始まったのですが・・・。

いざ始まると新月メンバーの演奏とは思えない、ばらばらな音、不協和音・・・全然ジャムっていない・・・オーディエンスはおそらく全員手に汗を握っていました。いや、演出なのかも知れません。

鈴木さんが思わず笑ってしまっていましたが、すぐに演奏は安定しました。
新月メンバーによるジャズ曲の演奏とは、実に貴重です。 何より、新月のライブでは聴く事が出来ない、鈴木さんのジャズベースをたっぷりと堪能する事が出来無事演奏は終了しました。

ジャズに造詣が深いのは新月メンバーでは鈴木さんと高橋さん、という話になりました。
ここで花本さんがジャズもアウェイですがブルースは苦手です、と「ブルース」の部分だけ妙に力強い発言があり、少しひく津田さんに「ブルースもなんですか?」と問われると更に語気を強めて「ブルースは嫌いです(きっぱり)」という言葉が返ってきます。

津田さん「なぜですか」
花本さん「嫌いだからです」
と明治時代の某文豪の発言のような禅問答のようなお言葉。

ブルースは下手です、といいながら、津田さんがさらっとギターでブルースのフレーズを弾かれると、思わずファンは身を乗り出して、もっと聴きたい!と思う前に演奏は終わってしまいました。

花本さんの「昔からそんなスケールは弾かない、ブルースは嫌いだ」の連発に、津田さんが苦笑して「ブルースをやっている人に失礼では?」と問いかけると「もちろん音楽自体は素晴らしいです。わたしがブルースを嫌いなだけですね」花本さんが答えて津田さんがまた苦笑されていました。

間に挟まれたアンジーさんが苦笑しながら「わたしはブルースは好きですよ」との言葉でこの話は平和に?終わりました。

五曲目は『白唇』です。新月全曲目解説を読まれた方はご存じのように『白唇』はベースを聴くための曲と言っても過言ではない、とあります。
今回のライブではその鈴木さんのベースをウッドベースで聴くことが出来るという贅沢です。新月ファンには堪らない演奏です。

鈴木さんのウッドベース、津田さんのあのギター、花本さんのメロトロンをたっぷりと、サポートの佐々木さん、礒江さん、安谷屋さんがしっかりと支え、アンジーさんA.m.u.さんが北山さんとは全く違う世界の情景で歌います。

わたしは位置的にずっと鈴木さんの手元ばかり見て、津田さんのギターに惹きつけられていましたが、演奏が終わった途端『白唇』は疲れる、と津田さんが一言おっしゃって会場内に笑いが起こりました。

ところで、このライブレポートとしては余談になりますが、『白唇』のボーカルとコーラスについて、79年当時は、声が高い順で、小久保さん、津田さん、北山さんで歌っていました。
2006年の復活コンサートでは、小久保さんがあまり高い声が出なくなったためと、北山さんは元々バスに近いバリトンなので、北山さんが下を歌ってしまうと低音だけが聴こえてしまうという理由で、逆にしたそうです。

もっともっと鈴木さんの演奏を聴きたいな、と思いつつこの二曲だけで鈴木さんは退場されました。

それから「新月ファン」という言葉がMC中出てきたのですが、津田さんが「20年以上活動してなかったのに、新月ファンって・・・」という意味深な発言があり、アンジーさんが「花本さんを責めてるんですか(笑)?」とフォローを入れたのですが、これはのちにファンの間で物議?を醸し出したのでした。うーーーん?

八曲目は『それからの日々』です。

「新●月プロジェクトvol.1 あの音が聞こえる」でも演奏された曲です。
演奏前に花本さんから曲の解説がありました。曲自体は80年代に如月小春さんの劇伴用に作曲された曲です。

この曲に、花本さんが取材された東日本大震災の被災地大槌町の被災者の方たちの証言を元に、詩をつけた作品がこの作品です。
あの津波でたくさんの方々が亡くなった事、そして、この夜が大変厳しい寒さで、せっかく津波の被害を免れたのに、この寒さの為に命を落とされた方たちもたくさんいらしたというお話を、花本さんは被災されたみなさんから聞いたそうです。
ただ、この3.11の夜の星空は、今までかつて見た事がないほど美しい星空だったと、皆さんが口を揃えておっしゃっていたそうです。

前回も今回も、歌詩は最初の「いつものように朝にめざめて」という部分しか聴き取れなかったのですが、ある日突然、いつものような日常が、あたりまえの幸せが、途切れてしまった夜、この言葉を語るアンジーさんの歌声は胸に迫るものがありました。

大震災の夜直接被災された方々は凍るような寒い夜、どれほど辛い想いをされたのか、想像もつきません。

そんな状況なのに、見た事もないほど美しい星空と感じる事が出来たのでしょうか。
そんな状況だから、見た事もないほど美しい星空と感じる事が出来たのでしょうか。

わたしはこの曲を聴きながら、ふと「新●月●全●史」のDVDに収録されていた『せめて今宵は』の映像を思い出していました。

あの大震災の夜。あの映像にあったレバノンの街の灯のように被災地にも「人」が灯す光は見えたのでしょうか、それとも「人」が灯す灯りが全くなかったから、星空だけが美しかったのでしょうか。

想像でものを語る事の失礼を承知で、その夜の星空の美しさを思うと、引き裂かれるように、胸が、痛いです。
でも、未だに被災地の方々が苦しんでおられる事を思うと、せめてこの曲が万人の耳に届き、被災地へ思いを馳せる力になる事を祈って止みません。

九曲目から十二曲目はメドレーです。津田さんいわく「救いのないメドレー」です。

演奏前に津田さんから、せっかく重いメロトロンの運搬を行ったので、生メロトロンを演奏しますとMCがありました。

「しかし、メロトロン奏者は珍しいですね、世界で何人くらいいるのでしょうか?絶滅危惧種なのではありませんか?」
と花本さんに問いかけると、
「二十人くらいではないでしょうか?そういえばマウンテンゴリラも絶滅危惧種で、生息数は500体くらいではなかったでしょうか(のちに、調べたらマウンテンゴリラの生息数は880体でした。と花本さんから生息数を少なく見積もった事に対してマウンテンゴリラへの謝罪が公式サイトに掲載されました。)
但しメロトロンは決して無くなる事はありません。
イタリア車と同じで単純なつくりの物は壊れないのです。
メロトロンのソフトにはデジタルもありますが、アナログは、音の存在感が全く違います。
メンテナンスをしっかりと行っていれば大丈夫です。」
と世界のメロトロンマスター、巨匠花本さんはきっぱりと仰っていました。

ここでラジオ奏者直江さんをステージに迎えます。
直江さんが出演されるきっかけは、花本さんが、大船で開催された美狂乱の佐藤正治さんのパーカッションのイベントに行った際。直江さんの演奏を聴き、即座に名刺を出して今日の出演のお願いをしたそうです。

メロトロン奏者とラジオ奏者が同時に演奏するめずらしいコラボです。花本さんから、すごいテクニックでノイズを楽器として奏でます、と紹介がありました。

そして、花本さんが、あの白いメロトロンに向かい弾き始めた曲は・・・『終末』でした。
アルバム「科学の夜」ボックスセット「新●月●全●史」のHAL&Serenadeに収録されているSerenade時代の花本さんの曲です。

2006年のHAL&RINGコンサートを観た方は『Alterd States2』のイントロとして演奏された『終末』のいつ終わるともしれない、リフレイン、サイレンのような音、悲鳴のような音を全て花本さんがたった1人でメロトロンで演奏するという驚異的なこの曲を鮮烈に記憶されていると思います。

『終末』からクリムゾンの『Starless』へと演奏が移りアンジーさんがボーカルを取りました。
そしてそして、心ひそかに、『終末』が演奏されたので、これはもしかしたら?と胸を躍らせていると、嬉しいことに期待通り、HAL&RINGの『Alterd States2』が演奏され、ここで短波ラジオの魅力も存分に聴くことができました。

短波ラジオのノイズは邪魔になるどころか心地よくライブのドライブ感を高めてくれます。
ざらっとしたノイズを纏いながら津田さんが『Here Comes the Flood』を歌い始めました。>
救いのないメドレーの最後にふさわしい曲です。

頭によぎったのは、「救いのないメドレー」は、すべて人の手によって起こしてしまった「救いようのなさ」を、神の目が呆れてさじを投げてすべて洗い流してしまおうと洪水を起こしたように感じました。

「最後の曲の前にみんなの紹介をしましょうかい」、と、さりげなくまんが家でもある花本さんの作品フタまんがーッ風のダジャレMCで、今日のメンバー全員の紹介がされ、ラストの曲『殺意への船出PART1』が演奏され、アンコールはありません、との事で、「響き」コンサートは和気藹々の雰囲気で終了しました。

セットリスト:(曲名、パートは新●月公式サイトより転載。カッコ内はころんたです。
1 鳥は海を渡る(今回初演奏花本さんの新曲。インプロ))
2 牡丹(vo.A.m.u.)(前回も演奏された花本さんの新曲。音楽俳句)
3 華夢(vo.A.m.u.)(礒江さん作曲のA.m.u.さんの持ち歌)
4 赤い目の鏡(vo.A.m.u.)
5 雨上がりの昼下がり(vo.Angie)
6 Stella by Starlight(鈴木さんウッドベースで参加。ジャズスタンダードナンバー)
7 白唇(vo.Angie/A.m.u.)(同じくベースはウッドベース)
8 それからの日々(vo.Angie)(80年代如月小春劇伴に3.11東日本大震災の大槌町被災者の方たちの証言を元に詩をつけた曲)
9-12(メドレー)
9 終末(Serenade時代の花本さんのメロトロン曲。HAL&RINGライブ時Alterd States2のイントロで演奏されたました)
10 Starless(vo.Angie)(プログレファンなら言わずとしれた♪)
11 Alterd States2(9.11をモチーフにしたHAL&RINGの曲です。) 12 Here Comes the Flood(vo.津田)(洪水をモチーフにしたピーター・ガブリエルの曲です。)
13 殺意への船出 Part1(vo.Angie)




新●月プロジェクトvol.2「響き」で演奏された中から
『鳥は海を渡る』
『Here Comes The Flood Medley』
が、YOU TUBEにアップされています。


前回VOL1のライブレポートはこちらです。
「新●月プロジェクトvol.1『あの音が聞こえる』@吉祥寺CLUBSEATA」


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